文明崩壊
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
仰々しいタイトルですが、こちらは2005年にアメリカで出版されたジャレド・ダイヤモンドによる書籍のタイトルです。正確には『文明崩壊 – 滅亡と存続の命運を分けるもの -』というタイトルになっています。今回はこの本をご紹介したいと思います。
タイトルから推察できるように、過去に存在した文明がどうして崩壊という運命をたどったのかということを、様々な具体的な事例をもとに分析したり、それとは逆に住民の行動により崩壊の危機を克服した事例などを分析、紹介しています。(克服の例として江戸時代の日本もとりあげられています。)
個人的に興味深かったのは、モアイ像で有名なイースター島での文明崩壊が紹介される章です。文明が崩壊するに至ったその大きな要因として、著者は過剰な森林伐採で森がなくなったことにより、食糧難が起こり人口が激減。ついには文明の崩壊に至ったとしています。
ビスマルクの「愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ」という格言でもあるように、歴史を知り、そしてそれを今に生かすという事は非常に重要なことだと思います。
最後に著者のジャレド・ダイヤモンドが2020年に来日した時のインタビューでの発言を紹介したいと思います。
「イースター島で起きたことは、過剰な資源収奪がもたらす最悪のシナリオです。この島は太平洋で孤立し、森林伐採など自然を破壊したときに助けを求める社会が他になかった。宇宙では地球も孤立しています。だからイースター島は世界の縮小モデルなのです。人間は自身が依存している資源を破壊してはいけないのです。」
みなさんは、どう思われますか?私は、地球も孤立していますという部分にハッとさせられました。
以上。