社員Tのつぶやき ~石綿(アスベスト)編~
社員Tです。兵庫分析センターの仕事の一つに石綿(アスベスト)に関わる業務があります。
石綿は、社会的にも長期で注目を浴びている物質ですね。
石綿の業務には大きく「空気中に浮遊しているか測定分析」と「建材に含有しているか分析調査」の2つがあります。
「空気中に浮遊しているか測定分析」は、解体現場や石綿の浮遊の恐れのある事務所や工場など皆さんが吸っている空気をろ紙に集め、兵庫分析センターに持ち帰り分析をします。
顕微鏡を使って、人の目で石綿が無いか、石綿があれば「何本あるか」を数えていきます。その後、空気中に何本の石綿が浮遊していたか計算をして、お客様に報告します。
「建材に含有しているか分析調査」は、お客様から提供された図面などをもとに情報を整理し、実際の建屋へ現地調査をします。
現場建屋は、工場・ビル・一軒家 様々で、その中で石綿が使われていないか、判断できない建材については、採取して兵庫分析センターに持ち帰り分析をします。
採取する建材は、内装では天井、壁材、床材また配管などの設備、外装では庇(ひさし)や屋根材など多岐にわたります。
さて、兵庫分析センターではJISをもとに分析していますが、建材の分析についてのJISが新たに加わりましたので簡単に説明したいと思います。
建材分析のJISはこれまで、JIS A 1481-1から-4でした。
この度、新たにJIS A 1481-5が加わりました。
JIS A 1481-1 市販バルク材からの試料採取及び定性的判定方法
※偏光顕微鏡で石綿の有る・無しを判定します。
JIS A 1481-2 試料採取およびアスベスト含有の有無を判定するための定性的判定方法
※位相差顕微鏡とX線回折を使って、石綿の有る・無しを判定します。
JIS A 1481-3 アスベスト含有率のX線回折定量分析方法
※X線回折を使って、石綿の含有率(%)を分析します。
JIS A 1481-4 質量法及び顕微鏡法によるアスベストの定量分析方法
※偏光顕微鏡を使って、石綿の含有率(%)を分析します。
JIS A 1481-5 X線回折法によるアスベストの定量分析方法(JIS A 1481-1の定性的判定方法を用いる場合の方法)
※JIS A 1481-1の定性分析の結果、「石綿アリ」で含有率を調べる場合
X線回折を使って、石綿の含有率(%)を分析します。
お客さまらのご依頼は、事業者の方や一般の方など様々です。
ご自宅なども含めて、不安などあれば、兵庫分析センターまでご相談ください。
豆知識ですが、石綿を「せきめん」と呼ばれることがありますが、実は日本語では「いしわた」です。