社員Tのつぶやき ~溶接ヒューム編~
今回は、事業者様、また、安全衛生など担当者様向けのコラムです。
金属アーク溶接等作業を継続して屋内作業場で行う場合、2022年3月31日までに溶接ヒュームの(マンガン)濃度を実施する必要があります。
まだの事業者様がおられましたら、兵庫分析センターまでお問い合わせください。
さて、溶接ヒューム測定のお問い合わせについては、これまでは「なにをすればいいの?」という事前相談が寄せられていましたが、最近では「測定後、どうすればいいの?」という問い合わせが多くなってきました。
先日もお客様の事業所を訪問しましたが、概ね下記のようなご質問がでましたので、回答しています。
【質問①】測定結果が出たが、どのように判断すればよいか教えてほしい。
⇒(回答)今回の測定では、基準値の0.05mg/m3を「超えなかった作業場」と「超えた作業場」が有りました。
・超えなかった作業場は、2023年4月以降にマスクフィットテストを実施してください。
・超えた作業場は、換気装置の風量増加、定期的な清掃の計画・実施、真空掃除機の購入等の検討をお願いします。
この措置を講じたあと、再度ヒューム測定の実施をお願いします。
なお、再度測定を実施しても基準値0.05mg/m3を超えてもここでは問題では有りません。今回の測定の目的は、適正なマスクを選定することにあります。
【質問②】測定結果(測定濃度)と要求防護係数の関係がわからない。
⇒(回答)溶接ヒューム濃度を0.05で割ってください。それが要求防護係数です。
マスクメーカーのパンフレットなどを参考に要求防護係数以上のマスクを使用してください。
例)測定濃度が0.15mg/m3でした。 0.15÷0.05で、3.0(要求防護係数)になります。
つまり、指定防護係数3.0以上のマスクを選んで使ってください。
※ただし、粉じん規則では、溶接を行う作業場では、指定防護係数10以上のマスクが指定されていますので要求防護係数が10を下回った場合でも指定防護係数10以上のマスクをご使用ください。
【質問③】今後のだいたいのスケジュールについて教えてほしい。
⇒(回答)1回または、2回の測定で、それぞれの作業場の要求防護係数がでました。2023年4月以降から、毎年マスクフィットテストを実施してください。
※作業内容など変更した場合は、溶接ヒューム濃度測定を依頼してください。マスクフィットテストの実施については、兵庫分析センターホームページの「マスクフィットテスト実施者養成講座について」のコラムをご確認ください。