自然環境調査(小規模太陽光発電所に関する自然環境調査)について
株式会社兵庫分析センターでは、小規模太陽光発電所に関する自然環境調査を実施しています。
太陽光発電の設置について、近年、山林や通常開発がおこなわれない急斜面地への
設置が増加しています。
国は現状の社会情勢の変化を踏まえ、環境影響評価法施行令を改正(2020年4月施行)しています。
兵庫県についても法と条例の一体的な運用を図るため、条例が制定されています。
県環境影響評価指針では、5ha以上の規模に加え、小規模太陽光発電所に関する自然環境調査指針を制定しています。
ここでの小規模太陽光発電所の区分は、0.5ha以上(森林伐採を伴うもの)(概ね200kW以上)
をいい、自然環境調査を必要とします。
ただし、一部地域では0.1ha以上や0.03ha以上など、地域の基準があります。
極めて簡単に説明すると、森林(山)や水面(池)などに太陽光パネルを設置する時に
自然環境の調査を実施しなさい。というものです。
調査の項目は、植物および動物、また生態系です。
調査の実施は、1回以上と決められています。
調査には、①文献調査、②現地踏査があります。
文献調査にて精査した内容を現地踏査にて確認いたします。
参考として、県内某山中での調査について、一部紹介したいと思います。
以下は、動物についての現地踏査内容です。
植物については、現地観察を実施し、各植物の特長にて判断するために
形状だけでなく、におい・味などで判別を行います。
植物また動物で、現地踏査で判断できなかったものについては
実際に研究室に持ち帰り、顕微鏡観察や参考文献と比較するなどで
特定していきます。
<写真>
昆虫採取: 様々な昆虫などを虫網を使用して採取します。
野鳥観測: 主に鳥は朝判別がし易く、鳴き声の方向を双眼鏡で追いかけ、種別を確認します。
水生生物の観測 : 石の裏側や植物の陰などに網を入れ、水生生物がいないか観測します。
トラップ : 100円ショップなどで販売されているコーヒーカップを地中に埋めることで
落とし穴を作ります。
ちなみに、カップになにも入れないものを「ピットホールトラップ」
カップに餌を入れたものを「ベイトトラップ」 ※ベイト=餌
といいます。
トラップ② :空中昆虫捕獲用トラップ(フライ・インターセプト・トラップ)
飛んでいる虫は物に衝突すると、ポトリと落ちる習性があります。
この習性を利用しています。
下のバットには、「洗剤」が入っており、落ちた昆虫を動けなくします。
また、写真にはペットボトルのフタなどを浮かべていますが、
色に反応(集まる)習性を利用した採取も試みています。
イモリの子供:写真では分かりづらいですが、イモリの子供を発見しました。
僅か1cm程度に満たない大きさでした。